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返済額は変わらない。でも元金が減らない。銀行の金利通知をAIと計算した

資産形成・節税

9月18日の昼に日銀が利上げを決め、夕方に銀行からメールが来ました。投資用ローンの基準金利を0.6上げる、という通知です。ただし引き落とし額は変わりません。変わるのは中身だけ。それをAIと一緒に計算したら、契約時の金利が続いた場合と比べて、月に払う11万円のうち元金に回る分が6.2万円から3.5万円へ減る計算でした。

通知を読んだときの状態
  • 引き落とし額は2029年まで同じ。だから何も起きていないように見える
  • 前回の金利上昇(+0.35)のときに「内訳が変わる」と書いた。今回は+0.6
  • 家賃で取り返せるのは、退去を待って1万円

大阪にワンルームを2部屋持っています。買ったのは2025年5月末で、前回の記事では最初の金利上昇で内訳が変わった話を書きました。今回はその続きです。前回を読んでいなくても分かるように、数字は全部この記事に置きます。

  • 金利が上がっても、引き落とし額がすぐ変わらない理由(5年ルール)
  • 月11万円の返済のうち、元金と利息がどう入れ替わったか
  • 家賃を上げられる部屋と、待つしかない部屋の違い
  • 定年のころに、いくら借金が残るかの3つの試算
  • 自分の返済も同じ計算をAIにやらせる指示文
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通知 ── 昼の日銀ニュース、夕方に銀行からメール

通知。昼の日銀ニュース、夕方に銀行からメール

9月18日、日銀が政策金利を1.0%から1.25%へ引き上げることを決めました。31年ぶりの水準だそうです(NHK)。その日の16時すぎ、auじぶん銀行から「投資用マンションローン基準金利改定のお知らせ」というメールが届きました。

書いてあったのは3つです。基準金利は3.191%から3.791%へ、0.6上がる。適用は10月1日が基準で、2027年1月の返済から。そして、こう続きます。

お借入後5回目の10月1日を基準日とする借入金利の見直しを行うまで約定返済額は変更されず、元金と利息の内訳金額が変更となります。

つまり、引き落とし額は変わらない。変わるのは元金と利息の割合だけ。 これが「5年ルール」です。メールの冒頭には「日本銀行の政策金利引き上げに伴う市場金利の変動を踏まえ」ともありました。

自分のローンは、契約時が1.74%。2026年6月の返済から2.09%になり、今回の改定で2027年1月から2.69%になります。1年半で0.95上がったことになります。

内訳 ── 毎月約11万円の、元金と利息を並べた

内訳。毎月約11万円の、元金と利息を並べた

引き落とし額が変わらないなら、何が変わるのか。2027年1月の返済を、同じ月で並べました。2部屋合計で借入3,460万円、返済は35年と34年、元利均等、ボーナス返済なし。数字は銀行の返済予定表に合わせて試算したものです。

2027年1月の試算月の返済額うち利息うち元金
契約時の1.74%が続いた場合111,189円49,392円61,797円
段階的に上がり、2.69%で止まる場合111,189円76,517円34,672円

払う額は1円も変わらないのに、元金に回る分が6.2万円から3.5万円に減ります。 差の2.7万円は、そのまま利息に回ります。この2.7万円は契約時の1.74%と比べた数字で、今回の+0.6だけなら1.7万円ほどです。

数字を見て出た言葉が、これでした。

表を見た日の言葉

ちょっと深刻なのかもしれませんね。こんなに元金の減りが悪いとなると、5年ルールでも厳しいと思うな。

5年ルールは、毎月の引き落としを守ってくれます。守ってくれないのは、残高です。引き落としが同じだから何も起きていないように見えて、借金の減り方だけが静かに鈍っている。前回の記事で「最初に変わったのは内訳だった」と書きましたが、今回はその内訳が、さらに動きました。

家賃 ── 1万円上げたい。でも退去を待っている

家賃。1万円上げたい。でも退去を待っている

利息が月2.7万円増えるなら、家賃で取り返せないか。ここは2部屋で事情が違います。

難波の部屋は2016年築です。買ったあとに家賃を上げられたので、少し上げていました。最近は世の中の市況が追いついてきたから、もう少し上げられるなとは思っています。まあ、漸進的ですね。

梅田の部屋は2004年築で、買ったときから家賃が安い部屋でした。買った金額もその分ちょっと安かったんだろうな、と思っています。今の家賃なら1万円くらいは上げられそうなので、出ていってくれたら1万円は絶対に上げます。

難波梅田
築年2016年(築10年)2004年(築22年)
家賃買ったあと一度上げた買ったときから安い
上げる余地もう少し。漸進的1万円。退去待ち
効いてくるもの金利と売却価格修繕費と家賃

ただし、梅田で考えている1万円の値上げは、次の入居者を募集するときです。 難波は少しずつ。利息の増え方は2027年1月に確定していて、家賃の上げ方には自分で決められない時間があります。

その後、2部屋の家賃をSUUMOで同じ築年・同じ広さの部屋と並べて、相場との差を出しました。→ 大阪の家賃は+8.4%。自分の2部屋を相場と並べたら、上げられそうなのは梅田の1万円だった

同じ+0.6でも、部屋によって効き方が違います。難波は築10年、梅田は築22年。表の「効いてくるもの」は、あとの章に出てくるChatGPTの見方で整理したものです。

残高 ── 定年のころ、どれだけ借金が残るのか

残高。定年のころ、どれだけ借金が残るのか

引き落としが変わらないなら、いつ変わるのか。メールの「借入後5回目の10月1日」を数えると、2025年5月末に借りた自分の場合、2029年10月が5回目です。返済額が計算し直されるのは、翌年の2030年1月からでした。

そこで、金利の条件を3つに変えて、完済(2059年と2060年)まで計算しました。金利の予想ではなく、条件を変えた試算です。

条件2035年7月(定年)の残高2030年1月からの月返済完済までの利息合計
契約時の1.74%が続いた場合2,646万円111,189円1,145万円
段階的に上がり、2.69%で止まる場合(今回の改定)2,793万円130,405円1,836万円
2028年からさらに+0.6(3.29%)2,886万円138,986円(上限)2,286万円

定年のとき、残高が147万円多い。完済までに払う利息は691万円多い。 契約時の金利が続いた場合との差です。

「最後にドンと来る」は、何が来るのか

計算する前は「持ち続けると、最後の最後に利息分がドンと来る」と思っていました。試算では、3.29%まで上がっても利息が月の返済額を超えないので、そういう「未払い」は出ません。来るのは別のものでした。定年までの10年で払う総額は1,356万円から1,485万円へ、129万円しか増えません。ところが元金に回る分は814万円から667万円へ、147万円減ります。払っているのに減らない。売るときの手取りは残高で決まるので、この147万円がそのまま効いてきます。

2030年1月からの返済額は、月19,000円ほど増える計算です。上限の125%(138,986円)には、2.69%なら当たりません。3.29%なら、ちょうど上限に当たります。

見通 ── 買うときに相談したChatGPTに、先のことも聞いた

見通。買うときに相談したChatGPTに、先のことも聞いた

この2部屋は、ChatGPTに相談しながら買いました(そのときの記録)。だから今回も、同じChatGPTに「大阪のワンルームは2031年までどうなるか」を聞いてみました。

ChatGPTは、2028年前後を厳しい時期と見ていました。金利には時間差があって、最初は月数千円の差でも、管理費・修繕費・固定資産税の上昇が重なってくる、という説明です。これはAIのシナリオです。

もう1つ返ってきたのが、2部屋を分けて考えろ、という点でした。難波は金利と売却価格の勝負、梅田は築年数と修繕費と家賃の勝負。 家賃の章の表は、この見方で整理したものです。

試算 ── 自分の返済も、内訳を一度出してみる

試算。自分の返済も、内訳を一度出してみる

引き落とし額が変わらないと、何も起きていない気がします。読者に勧めたいのは、自分のローンの内訳を一度、AIに出させてみることです。 払っている額ではなく、減っている額を見る。それだけで、通知の読み方が変わります。

下の指示文を、ChatGPTでもClaudeでも、使っているAIに貼ってください。数字の欄は自分のものに差し替え、「/」で並んでいる欄は当てはまるものを残します。分からない欄は「不明」のままで大丈夫です。AIに勝手に埋めさせず、聞き返させます。

AIに貼る指示文(自分の数字に差し替える)
私の変動金利ローンについて、金利上昇で毎月の返済額の内訳がどう変わるかを計算してください。
・残高と残り回数の基準日:〇〇年〇月の返済後
・現在の残高:〇〇万円
・残りの回数:〇〇回
・現在の適用金利:〇.〇〇%
・変更後の適用金利:〇.〇〇%(〇〇年〇月の返済から)
・毎月の返済額:〇〇円
・返済方式:元利均等/元金均等/不明
・ボーナス返済:なし/あり(金額・月)/不明
・返済額の見直しルール:5年ルールあり/なし/不明
・次に返済額が変わる月:〇〇年〇月/不明
・返済額の増額上限:125%/上限なし/その他/不明
出してほしいもの:①変更前と変更後の、元金と利息の内訳 ②見直し後の月の返済額 ③〇〇年時点の残高
空欄や不明な項目は推測せず、私に質問してください。計算の前提と、最初の1回分の計算式も出してください。名前・住所・口座番号は入力しません。

銀行やローン商品によって、見直しのルールは違います。自分の場合は通知メールに「5回目の10月1日」と書いてありましたが、そこは自分の契約書か返済予定表で確かめてください。

  • 引き落としは2029年まで変わらない。変わるのは元金と利息の割合
  • 元金に回る分は月6.2万円→3.5万円。差の2.7万円は利息へ
  • 家賃で戻せるのは、退去を待って月1万円。時間差がある
  • 定年時の残高は147万円多く、完済までの利息は691万円多い
  • 今回の3つの試算では未払い利息は出ない。来るのは「払っているのに減らない」10年

今は引き落とし額が同じでも、借金の減り方は変わります。だから、払う額だけでなく、減っている額を見ておきたいと思います。前回の金利上昇の記事と、繰上返済の順番を決めた記事も、同じ数字の続きとして読めます。

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