パソコン教室なんて、自分で調べれば済むのに。そう思ってきた自分には、売り物がありませんでした。パソコンは20歳から約30年、一般の人より詳しい自信はあります。でも全部自力で覚えたことなので、価値があるとは思っていなかった。
9月20日の夜、それをGeminiに相談しました。翌朝、Dan Martellの動画で「AIに1問ずつ逆質問させて、売り物を探す」というやり方を見て、そちらも試しました。まとめて相談したときは、きれいな答えが3つ返ってきました。1問ずつ聞かれたら、緊急の困りごとは思ったほど出てこず、代わりにnoteの数字を見ることになりました。この記事は、その2回分の記録と、決めた売り物、そして読者がそのまま貼れる質問文です。
- 「調べればいいじゃん」が、世間の大半にはできないとAIに言われた話
- 職場で見た、手順書どおりに3回サインアウトしない人たち
- 動画のやり方で、AIに1問ずつ聞かれた4問と、自分の答え
- 困りごとが思ったほど出なかった話と、noteの数字で見えたこと
- 自分の「当たり前」をAIに棚卸しさせる、貼るだけの質問文
回答 ── 「売り物がない」を、Geminiにまとめて投げた

投げた内容は、だいたいこうです。20歳のころに漢字Talk 7.5でMacを触り始めて、間が空いてWindowsも使うようになり、そこから自作PCを10年ほどやって、またMacに戻った。会社ではWindows。だからハードの面でも一般の人よりは詳しい。Excelの関数は覚えていないし、マクロも組めない。でも「調べればどうとでもできる」ので、知っている人より早く終わらせる自信はある。それなのに、これといって売り物がない。
返ってきた答えの最初の言葉が「スキルの呪い」でした。
自力で道を切り拓いてきた人ほど陥る「スキルの呪い(当たり前化)」の典型例です。呼吸するようにできることほど、自分では「無価値」に見えてしまいます。
この言葉があること自体、そのとき初めて知りました。そう思っている人もいるんだな、というのが正直なところです。
Geminiの指摘で一番引っかかったのは、次の部分です。「調べればどうとでもできる」というのは、実は極めて高度なスキルで、世間の大半にはこの3つができない、と。
- 何が原因で動かないのか、言葉にできない
- 正しい検索語(用語・関数名)が思い浮かばない
- 解説記事を読んでも、自分の画面と少し違うだけで応用できない
そしてパソコン教室にお金を払う人が買っているのは、知識よりも、自力で調べて試行錯誤する時間とストレスと恐怖の「代行」だ、と。
調べてみたら、大手のパソコン教室は1レッスン60分で1,760円、月8時間なら14,080円でした(ハロー!パソコン教室)。自分が「検索しちゃえばいいじゃん」と思うようなことに、60分1,760円が払われている。それを文字で見て、改めて気づいた、という感じです。
Geminiは最後に、種を3つ挙げました。調べ方の代行、ITアレルギーがある人の通訳、既存ツールを組み合わせて作業時間を半分にする型。きれいな答えでした。きれいすぎて、このときはまだ、自分の何が売り物なのかは分かっていませんでした。
現場 ── 「出てこなくなるまで」を、1回でやめる人

Geminiの言う「調べること自体ができない」を、職場で見ていました。職場のメールが別のサービスに移ったときの話です。
移行の手順書には、こう書いてありました。
サインアウトを2回、3回と、出てこなくなるまで繰り返してください
1回サインアウトすると「サインアウトしました」と出ますが、読み込み直すと、どこかのアプリでまだサインインが残っている。それが1つでも残っていると、新しいサインインをしても毎回サインインを求められる画面が出ます。自分の場合は3〜4回繰り返して、フォルダーも振り分けもそのまま移って、ノートラブルでした。
一方で、1回で「完了した」と思い込む人がいました。確認をせずにすぐ新しいサインインをして、あとから「できない」と言ってくる。連絡先も、同期の設定をすれば携帯に電話番号やメールアドレスがそのまま入るのに、設定をしない。最後は「やり方を教わっていないから」と言って使わない。なんで書いてあるとおりにすんなりやらないのかな、と思っていました。こんなもの、教わるようなものじゃないんだけどな、とも。
このとき自分は「教わるものじゃない」と思っていて、相手は「教わっていないから使わない」と言っている。同じ手順書を見て、同じ画面で、詰まる場所が違う。Geminiが言っていた「知識」と「代行」の差は、たぶんこの間にあります。
四問 ── 動画のやり方で、AIに1問ずつ聞かれてみた

翌朝、Dan Martellの動画『If I Started Over With $0, Here’s My Exact Plan to get to $1M』(YouTube・16分)を見ました。前に10年後の目標をAIに面接させた記事で使ったのと同じ人です。ゼロから始めるなら何をするか、という6ステップの動画で、その1つ目が「売るものの特定」でした。情熱より、人が痛がっていることから探す。それをAIに1問ずつ逆質問させる、というやり方です。
今回は、売り物を探すステップ1を試しました。Claude Codeに質問役をやらせて、4問答えました。4問は、動画をきっかけに自分たちで組んだものです。
1問目:この1か月で「これ、どうやるの」と聞かれたことを、思い出せるだけ。答えるのにかかった時間も。
グループウェアの画面にエラーが出た。チャットのグループの作り方が分からない。新しいセキュリティソフトが前のと競合して遅い。共有したGoogleドキュメントのリンクがどこか分からない。全部5分以内。早いものは2〜3分。
2問目:自分がいなかったら、聞いた人はどうしていたか。放置されたら、仕事は止まっていたか。
たぶん、そのまま放置が多い。自分で調べて解決する人は、この中に誰もいなかった。でも放置されて仕事が止まっていたかと言うと、どれも止まっていなかった。
3問目:自分自身が、この1〜2年で「止まった」「お金か時間を大きく失った」出来事は。
NASが壊れて、中の音楽ファイル(ハイレゾ・ロスレス)を救出したこと。買ったものがパーになったかと思ったけど、あとで調べたら購入履歴から再ダウンロードもできた。最終的にはGeminiと壁打ちして自力で救出した。止まったと言えば止まったけど、そこまで緊急性はなかった。
4問目:「痛くなる前に処理した」記事はもう何本かある。読者の反応があったものは。
(この答えは次の章に)
まとめて相談したときとの違いは、途中で自分の答えが自分の想定とずれていくことでした。1問目では聞かれたことが4つすぐ出てきて、2問目で「でも仕事は止まっていない」が出てくる。3問目で「自分のほうも、緊急ではなかった」が出てくる。きれいな答えは出ず、代わりに自分の答えの中から矛盾が出てきました。
無痛 ── 緊急の困りごとは、思ったほど出てこなかった

3問目まで答えて分かったのは、こういうことです。職場の詰まりは、誰も自分で調べないけれど、仕事は止まらなかった。自分の詰まりは、NASが壊れても緊急ではなかった。動画の言い方だと、人がお金を払うのは「痛がっていること」に対してで、それを探しても、思ったほど出てきませんでした。
質問役のClaude Codeは、こう見立てました。痛みが少ないのは、痛くなる前に自分で処理してしまうからではないか。サインアウトを3〜4回繰り返す人は、サインインで詰まる痛みを経験しない。NASが壊れても12時間かけて救出する人は、データを失う痛みを経験しない。だとすると、市場の痛みは、自分が5分で避けていることを避けられなかった人の側にあるのではないか、と。そこで、自分の中を探すのをやめて、実際に読まれたり買われたりした記事を見ることにしました。それが4問目です。
4問目は、noteのダッシュボードの数字で答えました。noteは「インプレッション」(note内の一覧に表示された回数)と「ページビュー」(記事のページが開かれた回数)を分けて数えています(noteヘルプ)。その2つと売上を、そのまま並べます。
| 記事 | 表示 | 開かれた | 売上 |
|---|---|---|---|
| 年金は月14万4,992円でした | 437 | 59 | – |
| AIエージェントを作って一人で会社を回す | 640 | 27 | 980円 |
| AIに643回聞いて、3,480万円を借りた | 602 | 15 | – |
| 11,500円のブーツを、3万円かけて直した | 167 | 14 | – |
| AIの文章で、いちばん直しづらかったところ | 74 | 8 | – |
| ChatGPTに何を頼めばいい? | 209 | 3 | – |
この表では、一番開かれていたのは年金の記事で、売上が付いていたのはAIエージェントの記事でした。 表にすると、読まれることと買われることは別でした。
明文 ── 「できる」と言えるのは、文字に残せてから

Geminiの回答を読んでいて、もう1つ思ったことがあります。できなくても「できる」と言い切れる人が、入社試験の面接では得をするんだな、と。自分はせめて80点くらい取れるものでないと「できる」とは言えません。パソコンはできるけれど、直感でやっているので、人に説明はそんなにできない。
だからスキルと言えるようにするには、言葉か文章か、文字に残せるくらいになっていないとダメなのかな、と思いました。そういう方向にしていきたい。5月からブログを60本書いてきました。中身は、直感でやってきたことを文字にする作業です。
1つ目の売り物は、この日に決めました。AIへの指示書を棚卸しする道具です。Claude Codeの指示書(CLAUDE.md)が511行に育っていた話は有料noteに書きました。そこに載せた棚卸しの道具(スクリプト・振り分けの指示文・5問)を、11月にはキットとしてまとめたいと思っています。いま手に入るのは、そのnoteのほうです。決めた理由は2つあります。
- 自分が毎日やっていること
- noteの数字で唯一「買う」が出ていたのがAIの側だったこと
売れるかどうかは分かりません。
最後に、Geminiに投げた相談を、そのまま貼れる形に整えたものを置きます。自分はまとまらないまま話しかけたので、そのままでは渡せませんでした。自分の話をこの3つに当てはめるなら、「パソコン歴30年」「職場で聞かれること」「Excelを調べて片付けること」です。
自分には「売り物」が無いと思っています。理由は、できることは全部自力で覚えたもので、価値があると思えないからです。
- [自分が長く続けていること]
- [よく頼まれること]
- [自分には簡単だと思うこと]
この考えのどこがずれているか、遠慮なく指摘してください。そのうえで、自分が「当たり前」だと思っていることのうち、他人にとってお金を払う価値があるものを挙げてください。
(動画のやり方で試すなら、末尾にこの1行を足します)
一度に答えを出さず、私に1問ずつ質問して、答えを聞いてから次を出してください。
まとめて聞くと、AIは整った答えを返してきます。1問ずつ聞かれると、自分の答えの中から矛盾が出てきます。自分の場合は、後者のほうが使えました。
- 「調べればいい」は高度なスキル、とGeminiは言った
- 自分が無料で覚えたことを、有料で教える教室がある
- 緊急の困りごとは、探しても思ったほど出ない
- この表では、開かれた記事と売れた記事は別
- 売り物は、AIへの指示書を棚卸しする道具に決めた
同じ人の動画で10年後の目標を面接させた前回の記事と、511行あった指示書を整理したnoteは、この記事の前後の話です。


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