9月10日にAppleが折りたたみのiPhone Duoを発表しました。税込364,800円からです。
その数字を見て最初に浮かんだのは、欲しいかどうかより「これ、経費になるのかな」でした。ワンルームマンションを2戸持っていて、管理会社との連絡や確定申告の作業にiPhoneを使っています。買うなら仕事の道具でもあります。
正直に言うと、実際に買おうかなと思っているのはDuoではなくiPhone 18 Pro Maxです。ブログのタイトルにするにはDuoの方がいいんだろうな、と思いながら書いています。
- 2026年4月から変わった「40万円未満」の特例
- 私用と兼ねるiPhoneが、どれだけ経費になるか
- 一括で経費にしても、別に残る申告
文字 ── 36万円のiPhoneより先に、文字を大きくした

今使っているのはiPhone 16 Pro・256GBです。容量は足りています。iCloudを使っていて、写真や動画は必要な分だけ端末に残す形にしているので、256GBで困ったことはありません。
それでも買い替えを考え始めたのは、画面がちょっと小さいかな、と感じるようになったからです。
小さく感じるのは、断然文字です。写真や動画はそのままで問題ありません。年齢的なこともあって、この前、これまで標準だった文字サイズを一段階大きくしました。それで読みやすくはなったんですが、画面の中に入る情報は減ります。
| 今 | 検討中 | |
|---|---|---|
| 機種 | iPhone 16 Pro | iPhone 18 Pro Max |
| 容量 | 256GB | 512GB |
| 画面 | 6.3インチ | 6.9インチ |
| 税込価格 | ― | 274,800円 |
512GBにするのは、足りないからではなく余裕を持たせたいからです。用途は、不動産の仕事とブログの情報収集と私用の兼用。この「兼用」が、あとで計算をややこしくします。
Duoは364,800円、Pro Max 512GBは274,800円。Pro Maxは9月12日21時から予約が始まります。どちらも30万円を挟んだ金額なので、経費のルールを調べることにしました。
基準 ── 今年は30万円ではなく、40万円未満

結論から書くと、2026年4月1日以降に買ったものは、40万円未満まで一括で経費にできる特例があります。
国税庁のタックスアンサーNo.2100には、こう書かれています。
一定の要件を満たす青色申告者が、平成18年4月1日から令和11年3月31日までに取得した取得価額10万円以上40万円未満(令和8年3月31日までに取得した場合の取得価額は10万円以上30万円未満)の減価償却資産(中略)については、一定の要件の下でその取得価額の合計額のうち300万円に達するまでの取得価額の合計額をその業務の用に供した年分の必要経費に算入できるという特例があります。
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自分なりに読み替えると、こうなりました。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| いつ買ったか | 2026年4月1日〜2029年3月31日 |
| いくらまで | 1つ40万円未満(2026年3月までは30万円未満) |
| 誰が | 一定の要件を満たす青色申告者 |
| 年間の上限 | 合計300万円まで |
| いつの経費か | 仕事に使い始めた年 |
DuoもPro Max 512GBも40万円未満に入ります。ただし、Pro Maxの512GBは274,800円なので、従来の30万円未満にも収まります。今回の引き上げで新たに対象に入る価格帯なのは、364,800円のDuoのほうです。 自分は青色申告なので、対象者の側です。
もう1つ、金額の判定は税込か税抜かという話があります。同じページに「納税者の経理方式による」とあり、免税事業者は税込経理です。副業で始めたばかりなら、多くの場合は税込の金額で見ることになると思います。
10万円以上20万円未満の資産には、3年で均等に経費にする別の制度があります。Duoの36万円やPro Maxの27万円には使えません。「一括か、3年か」の二択ではなく、40万円未満の特例か、通常の減価償却か、の二択です。
按分 ── 私用と兼ねるiPhoneは、どれだけ経費になるか

ここが一番知りたかったところです。iPhoneは私用でも使います。全額を経費にはできません。
国税庁の必要経費の説明(No.2210)には、私用と仕事の両方に関わる支出について、こう書かれています。
取引の記録などに基づいて、業務遂行上直接必要であったことが明らかに区分できる場合のその区分できる金額に限られます。
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仕事で使った分だけ、記録に基づいて区分する。これが基本です。
自分が青色申告をしているのは、ワンルームマンションの不動産所得です。iPhoneは管理会社との連絡や確定申告の作業に使っていますが、正直に言うと、ブログの情報収集に使っている時間のほうが多い。そのブログの分は、不動産所得の経費には入りません。雑所得にはこの特例が使えないので、今回は不動産の仕事で使う分を計算します。
ブログの分が雑所得なら、赤字が出ても給与や不動産の所得と相殺できず、翌年へも繰り越せません。980円の収入で確かめた話は「副業ブログの収入は980円」の記事に書きました。
ここから先は計算例なので、条件を置いておきますね。
この記事の計算は「仮に不動産の仕事で50%使う」という条件で進めます。 不動産の仕事より情報収集に使う時間のほうが多いので、自分の場合はもっと低くなると思います。何%になるかは、使い方の記録次第です。
| Pro Max 512GB | Duo | |
|---|---|---|
| 税込価格 | 274,800円 | 364,800円 |
| 仮に不動産の仕事で50% | 137,400円 | 182,400円 |
40万円未満かどうかの判定は、購入価格そのもので見ます。経費に入れる金額は、そこから仕事の割合を掛けたものです。この順番を自分は最初、逆に考えていました。
仕訳 ── 274,800円で実際に書いてみる

簿記3級を勉強中なので、仕訳の形にしてみました。前にパソコンとモニターを買ったときは、減価償却の申請を4年に分けてやりました。今回は一括の特例で仕訳を書いてみます。前提はこうです。
- 税込経理
- 青色申告
- 2026年10月に購入し、同じ月から不動産の仕事に使う
- 不動産の仕事の割合は仮に50%
特例を使う場合、買った年に仕事分を全額経費にします。
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 消耗品費 137,400円 | 普通預金 274,800円 |
| 事業主貸 137,400円 |
特例を使わない場合は、通常の減価償却です。パソコンのときはこちらで、4年に分けました。法定耐用年数に応じて何年かに分け、10月に使い始めた例なら、最初の年は10〜12月の3か月分だけを計算します。特例なら、その年に仕事分の137,400円を経費にする。
違いは、経費にする時期です。合計は変わりません。
特例を使うときは、確定申告書の減価償却の明細に「措法28の2」など特例を使った旨を書く必要があるとされています。パソコンのときは4年に分けたので、この特例の欄を書くのは初めてです。来年の申告のときに確認します。帳簿に「消耗品費」と書いて終わり、ではないところが、簿記の勉強で想像していたのと違いました。
免税 ── 一括経費にしても、償却資産の申告は別

ここが調べる前に知らなかったところです。
所得税で一括経費にしても、市区町村への償却資産の申告は別に残ります。特例を使った資産は申告の対象に含まれる、と自治体の案内に書かれていました。
ただし、申告の対象になることと、実際に税金がかかることは別です。償却資産税には免税点があって、2027年度からは180万円未満に変わります。
| 内容 | |
|---|---|
| 申告 | 特例を使った資産も対象 |
| 免税点 | 課税標準額の合計が180万円未満なら課税されない(2027年度〜) |
| 判定の単位 | 同じ市区町村内の償却資産をまとめて |
Pro Max 1台なら27万円台なので、他に大きな資産がなければ免税点を下回ります。申告は出すが、税額は0という形です。
出典:名古屋市 償却資産の申告 / 大阪市 償却資産の申告について。
免税点の判定は購入価格の単純合計ではなく、課税標準額で見ます。自治体によって集計の単位も違うので、資産の所在地の自治体の案内で確認するつもりです。
差額 ── 経費にできると、実際いくら違うのか

最後に、いちばん誤解しやすいところを。
137,400円を経費にできても、137,400円が戻ってくるわけではありません。減るのは、その金額に税率を掛けた分です。
| 仮の税率 | 減る税金の目安(経費にしない場合と比べて) |
|---|---|
| 所得税10%+住民税10% | 約27,480円 |
| 所得税20%+住民税10% | 約41,220円 |
税率は所得によって変わるので、この数字はあくまで計算の例です。それでも、27万円のiPhoneで数万円の差が出るなら、調べた甲斐はあったと思っています。
Pro Maxを買うかどうかは、まだ買おうかな、というところです。買うとしたら、使い始めた月から記録を残すつもりです。何%が不動産の仕事かは、そこから決まる。
Duoの36万円を見て「経費になるのかな」と思った方は、自分の候補の価格と使い道を、上の表に当てはめてみてください。買い替えの順番を決める話は、前に書いた記事にあります。
- 2026年4月以降は、40万円未満まで一括経費の特例がある(青色申告など条件あり)
- 私用と兼ねる場合は、仕事で使った分だけ。判定は購入価格、経費は按分後。副業ブログの分は不動産所得の経費に入らない
- 一括経費にしても、償却資産の申告は別に残る。ただし免税点180万円未満なら税額は0
- 経費額がそのまま戻るわけではない。減るのは税率を掛けた分


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