この記事で分かること
- 新しいAIエージェントに、最初にどこまでの仕事を渡したか
- 公開ページを読ませただけでは、実力が分からなかったこと
- 自分の仕事を点検させたら何が出てきたか
朝、Geminiを開いたら、見慣れない表示が増えていました。
「チャット」の隣に「Spark ベータ版」。左側には、タスク、スケジュール、スキル、アプリ連携。いちばん下に「Macフォルダを追加」。
公式のPro向け案内と、自分の画面が食い違った
まず、公式のヘルプを確認しました。日本語版のページです。
Google AI Pro向けは、米国・英語と書かれていました。Ultra向けは日本を含む地域へ広がっているようですが、自分は日本のPro契約です。
公式の記載だけでは、なぜ自分の画面に出たのか分かりませんでした。
「使えるようになった」という発表を見て開いたわけではありません。開いたら、あった。順番が逆でした。ヘルプを読んで、余計に分からなくなったというのが正直なところです。
念のため書いておくと、これは自分のアカウントで使えるようになったという話です。日本の契約者全員に開放された、という意味ではありません。段階提供なのか、案内の更新より先に画面へ届いたのかは分かりません。
まず、公開ページ3本だけを読ませた
新しい道具を触るとき、最初に何を渡すかで迷います。
自分が選んだのは、インターネット上の公開ページを3本読んで、表にまとめるだけでした。ログインも、ファイルの編集も、メールの送信もさせません。指定した3本以外は開かないように書きました。
読ませたのは、AIの公式ヘルプや更新履歴です。求めたのは5つ。ページ名、URL、ページに書かれている更新日、確認できた要点、そしてそのページだけでは結論にできないこと。
そして、こう付け足しました。
ページに明記されていない内容は推測せず「未確認」と書いてください。
1本、読めませんでした
返ってきた表の1行目が空でした。
理由の欄には「ドメイン制限によりページの閲覧が行えませんでした」。読めなかったのは、Gemini自身のヘルプページです。この機能の説明書が読めなかったことになります。
面白いのはここからで、読めなかったことを、そのまま書いていたことです。全部の項目に「未確認」と入れて、最後の「人が確認すべき箇所」にも、いちばんに挙げていました。
残りの2本は読めていました。しかも1本は、更新日が「一週間以上前に更新」としか書かれていないページです。具体的な日付がどこにもない。ここで日付を作ることもできたはずですが、「具体的な年月日は未確認」と書いてありました。
同じURLを、別のAIには読ませることができました。同じ公開ページでも、道具によって読めたり読めなかったりするようです。なぜそうなるのかは分かりません。分からないので、ここでは「そう表示された」という事実だけ書いておきます。
でも、これなら普通のAIでもできる
正直に言うと、ここで拍子抜けしました。
読めないと言えたのは立派です。日付を作らなかったのも良かった。でも、やらせたこと自体は、普通のチャットでもできる内容でした。
新しく増えていた機能——タスク、スケジュール、フォルダ連携——を、ひとつも使っていなかったからです。安全な範囲に収めたつもりが、その道具である必要のない仕事を渡していました。
実は少し前にも、別のAIエージェントで同じことをしています。安全に始めようとして範囲を狭くしたら、何が起きたのか分からないまま終わりました。同じことを繰り返していたわけです。
足りなかったのは、慎重さではありませんでした。渡すものの選び方でした。
自分の仕事を渡してみた
そこで、2回目は自分の仕事を渡すことにしました。
自分は、記事を公開する前に確認する項目を、自分でリストにしています。本文、検索の設定、リンクと画像、表記の確認。全部で23項目あります。
そのリストと、先日書いたばかりの自分の記事を1つ、フォルダに入れました。そして「このリストで、この記事を点検してください」と頼みました。
このとき、こう付け足しています。
問題が見つからない項目は、無理に指摘を作らず「満たしている」と書いてください。
フォルダを渡すときにしたこと
パソコンのフォルダを丸ごと繋ぐのはやめて、中身が2つだけの新しいフォルダを作り、それだけを繋ぎました。
ただ、正直に書いておきます。自分ひとりなら、普通に繋いでいたと思います。中身を先に確認しようと言われて、そこで初めて「何を見せることになるのか」を考えました。
3週間、気づいていなかったことが出てきた
点検結果は、3つに分かれて返ってきました。満たしている、満たしていない、判断できない。
判断できない、が10項目ありました。画像の設定や、公開後の表示など、本文を読むだけでは分からないものです。そこを埋めずに「判断できない」と書いたのは、正しい答えでした。
そして、満たしていない、が3つ。
ひとつは、公開前の作業メモが本文に残っていたこと。もうひとつは、日付の書き方が「今年の10月」のままで、いつを基準にした話か分からないこと。
3つ目が、こたえました。
指摘はこうです。「記事のURLが、内容を表す英数字になっていない」。
ただしこの指摘は、半分ずれていました。渡した資料に短縮URLを書いていたので、それを見て「IDのままだ」と読んだのです。
それでも、確かめるきっかけにはなりました。実際の公開URLを開いてみたら、日本語のまま公開されていたのです。タイトルが途中で切れた状態で、URLになっていました。
自分のリストの23項目に、まさにその項目が入っています。「URLを日本語のままにせず、内容に合った英数字に直す」と。自分で作ったリストの項目を、自分が飛ばしていました。
そこで他の記事も調べました。7月11日以降に公開した15本が、全部同じ状態でした。それより前の22本は、きちんと英数字になっています。ある時期を境に、この作業だけが抜け落ちていた。3週間、誰も気づいていませんでした。
記事を公開する作業は、今はAIに任せている部分があります。手順を渡して、そのとおりに動いてもらう。
その手順書には、日本語URLをそのままSNSに貼ると長くなるので、短縮リンクを使うという回避策が書いてありました。だからSNSでは困っていなかった。
でも、公開前に英数字のURLへ直す工程そのものが、どこにもありませんでした。回避できているつもりで、元の作業漏れが見えなくなっていたのです。
道具の実力は、公開情報では分からなかった
同じ道具に、同じ日に、2つの仕事を渡しました。
1つ目は、誰でも読める公開ページを読ませる仕事。結果は「まあ、正直だな」でした。実力は分かりませんでした。
2つ目は、自分の仕事を点検させる仕事。結果は、3週間見逃していた抜けが出てきました。
違いは道具の性能ではなく、渡した仕事の方にありました。
公開情報3本の整理だけでは、普通のチャットとの違いが分かりませんでした。答えが合っていても、この道具を自分の仕事にどう使えるかまでは見えなかったからです。
新しいAIを試すとき、何から渡すか迷ったら。失敗しても戻せる範囲で、自分の仕事に近いものを選ぶのがよさそうです。自分の場合、それは自分のブログでした。
今回分かったこと
- 公式の案内と、自分の画面は違うことがある。使えたことは書けるが、全員が使えるとは書けない
- 公開情報を読ませただけでは、普通のチャットとの違いが分からなかった
- 自分のブログを点検させたら、自分で作ったチェックリストを自分が飛ばしていたことが分かった。この道具が自分の作業に使えるかは、ここで初めて見えた


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