AIがFAQを作る時代に、営業・CS経験が役立つ5つの理由

デスクでFAQのチェックリストを確認しながら、パソコン画面のAI生成回答に赤ペンでチェックを入れている様子 AI・副業

同じ質問に何度も答え、特定の人しか正しく答えられない。自分が営業やカスタマーサポートで困ったのは、そんな「属人化」でした。

2026年7月1日、GMOペパボが「GMO即レスAI for CS」の提供を始めました。問い合わせや対応の記録をもとに、AIがFAQやナレッジを自動で作り、改善までしてくれるサービスだそうです。(公式発表

FAQ作りにかかっていた手間が減るなら、現場としてはありがたい話です。

ただ、営業やカスタマーサポートの現場を経験してきた自分からすると、「AIがFAQ案を作れる」ことと、「そのFAQをそのまま出して大丈夫」ということは、別の話だと感じています。

今日は、AIがFAQを自動生成できる時代でも、人が確認しなければいけないと思う理由を、自分の実体験から書いておきます。

同じ質問に何度も答えていた日々

自分はこれまで、営業やカスタマーサポート、仕様・工程整理のような仕事に携わってきました。

その中で一番多かったのは、「仕様や使い方についての質問」です。

同じ操作方法、同じ設定方法を、日によって違う人に何度も説明する。担当者が変わっても、同じような質問が繰り返し届く。

そのたびに、「これ、前にも同じことを説明した気がするな」と思っていました。

FAQを作った理由は「属人化」だった

繰り返しの説明に疲れて、FAQや回答テンプレート、手順書を作ったことがあります。

作る前に困っていたのは、シンプルに言うと「属人化」でした。

特定の人しか正しく答えられない。その人が休むと、対応が止まる。新しく入った人には、口頭で一から説明するしかない。

そうした状態を整理するために、よくある質問と回答をまとめる作業をしました。地道な作業でしたが、一度整理すると、同じ質問が来たときに参照できる形になりました。

AIがこの「まとめる」部分を自動でやってくれるなら、正直ありがたいと思います。過去の問い合わせや対応ログをもとに案を作ってくれるなら、ゼロから書き出すよりずっと早いはずです。

それでも、人の確認が必要だと感じる理由

ただ、FAQを実際に作って運用してきた経験から言うと、AIが作った案をそのまま出すのは危ういと感じます。理由を整理してみました。

理由1:元になった情報が正しいかどうかは、人が確認する必要がある

問い合わせ・対応ログをもとにFAQを作る仕組みでは、元になったログが間違っていたり、古かったりすれば、その間違いごとFAQになってしまう可能性があります。

「もっともらしく見えるけれど、実は前提が古い」という状態は、AIの回答が自然な文章であるほど気づきにくいものです。

理由2:例外やグレーゾーンの判断は、マニュアル通りにいかない

自分がFAQ・回答テンプレートを作っていたときに一番苦労したのは、実はここです。

典型的な質問への回答は作りやすい一方、「このケースはどっちに当てはまるんだろう」というグレーゾーンの案件が必ず出てきます。

マニュアル通りにいかない個別の事情を、その場でどう扱うか。ここは、現場の事情を知らないAIだけでは判断しにくい部分だと感じます。

理由3:仕様が変わった瞬間、古いFAQは危険なものに変わる

仕様や運用ルールが変わると、それまで正しかった回答が、そのまま古い情報として残り続けてしまいます。

FAQは一度作って終わりではなく、変更のたびに見直す前提で運用しないと、いつの間にか「間違った案内を自動で配り続ける仕組み」になりかねません。

理由4:AIで解決できない案件を、人へ橋渡しする判断がいる

「GMO即レスAI for CS」も、AIが解決できない問い合わせは有人対応へ引き継ぐ仕組みを持っているそうです。

この「AIで解決できる/できない」の見極めや、どの条件で人へ引き継ぐかを設計し、運用後に見直す役割は、人に残ります。

理由5:回答の品質や利用状況は、人が見て改善していくもの

FAQは出したら終わりではなく、実際に読まれているか、役に立っているかを見て、改善し続ける必要があります。

解決率やハルシネーションの発生状況を可視化する仕組みがあるとしても、数字の意味を読み、改善方針を決め、結果に責任を持つ役割は人に残ります。

AI時代に残る、非エンジニアの経験

こうして整理してみると、AIがFAQを自動生成できるようになっても、その手前と後ろに、人が確認・整理・改善する仕事が残ることが分かります。

そしてこの仕事は、専門的なエンジニアリングの知識よりも、現場で問い合わせに向き合ってきた経験のほうが活きる領域だと感じています。

自分が一番伝えたいのは、経験を言葉にする力そのものが価値になるということです。

現場で培った「勘」や「暗黙知」を、FAQや手順という言葉に落とし込む。これは、AIがどれだけ発達しても、元になる経験を持つ人ほど強みを出しやすい仕事だと思っています。

AIへの依頼そのものを整理する話は、noteにもまとめました。興味があれば、そちらも合わせて読んでみてください。

まとめ

AIがFAQを自動で作れる時代が来ても、それだけで安心して使える状態にはなりません。

元情報が正しいかを確認し、例外を読み取り、仕様変更に合わせて更新し、AIで解決できない案件を人へつなぎ、品質を見て改善する。

こうした確認・整理・更新の力は、これからも人の仕事として残ると自分は考えています。

AIに書かせる力だけでなく、その内容を確認し整理する力を持っていることが、これからの仕事につながっていくはずです。

最後まで読んでいただきありがとうございました😊

カズ

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