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「卵は一つのカゴに盛るな」
投資の世界でよく聞く格言ですが、最初に聞いたとき私はこう思いました。
「…カゴって何個あればいいの?」
そして次に思いました。
「……あ、私、全部一つのカゴに盛ったことある」
こんにちは。埼玉在住・会社員のカズです。50歳を過ぎてからFP3級を取得し、NISAを始め、気づけば「アセットアロケーション」なんて言葉を使い始めてしまいました。3年前の自分が聞いたら「何語ですか」と言うと思います。
今日は、アセットアロケーションを知らなかった頃にやらかした実体験を交えながら、この概念を説明させてください。
コロナショックと石油株の話
2020年、コロナで株式市場が大荒れになった頃の話です。
付き合いのある証券会社の担当者に、こう言われました。
「今は下がっていますが、石油は絶対に上がりますよ。必ず戻ってきます」
いま思えば「絶対」と「必ず」が2秒で2回出てきた時点で警戒すべきでした。しかし当時の私は「プロが言うなら」と信じ、ちょっと大きな金額で石油関連の銘柄を買いました。
買いました。
…さらに下がりました。
「まだ戻る」と思ってもう少し買い増しました。
…もっと下がりました。
投資額が半値近くになったところで、私はこう思いました。
「このまま持ち続けたら、ゼロになるんじゃないか」
その恐怖に負けて、売りました。
結果、半値での損切り。
その後どうなったか。石油株は回復しました。あのまま持ち続けていれば、確実に増えていました。
あのときの感情の動き、今でも覚えています。「まだ戻る」から「もうダメだ」に切り替わった瞬間の、あの焦り。あれは完全に、資産の集中と心理的な追い詰められ方がセットになって起きた失敗でした。
アセットアロケーションとは、ひとことで言うと
「どこに、どれだけお金を置くかの設計図」です。
たとえばこんな感じ。
| 資産クラス | 割合 |
|---|---|
| 国内株式 | 10% |
| 海外株式 | 40% |
| 国内債券 | 20% |
| 海外債券 | 10% |
| 現金・預金 | 20% |
この「どこにどれだけ」を決めることが、アセットアロケーションです。
私の石油株の失敗は、資産の一部を一つのセクターに集中させたことで起きました。もし石油関連が全体の5〜10%程度だったら、半値になっても全体への影響は限定的で、「まあ待つか」と冷静でいられた可能性があります。
集中するから、下がったとき怖くなる。怖くなるから、底で売ってしまう。
これがアセットアロケーションを知らないと起きることです。
なぜ分けるの?全部株でよくない?
株だけにすると、株が下がったとき全部まとめて下がります。
2020年のコロナショックで日経平均は1ヶ月で約30%近く下落しました。全部株に突っ込んでいた人は、資産が一瞬で3割消えた計算です(私は石油株でそれ以上の下落を経験しました)。
一方、株と債券を組み合わせていると、株が下がるときに債券が上がりやすい性質があるため、下落を和らげる効果が期待できます。完全には防げませんが、フルスイングで転ぶより、重心を低くして転んだ方がダメージは少ない。
50歳の私の場合:今はこう配分している
FP3級の勉強で「年齢が上がるほど債券の比率を上げる」というセオリーを知りました。リスクを取れる時間が短くなるからです。20代なら株が暴落しても「30年後には戻るでしょ」と待てる。でも50代でそれをやると、回復を待ちながら定年を迎えることになる。
かといって、債券だらけにすると増えない。そこで私が参考にしたのが、こういう考え方です。
「守りすぎず、攻めすぎず。自分が夜中に目が覚めないくらいのリスク量に留める。」
石油株で夜中に何度目が覚めたか、思い出したくもない。あの経験が、この言葉をすんなり受け入れさせてくれました。
今の私の配分はざっくりこうです。
| 資産クラス | 割合 | 主な商品 |
|---|---|---|
| 海外株式(全世界) | 50% | eMAXIS Slim オールカントリー |
| 現金・預金 | 40% | 生活防衛資金含む |
| その他(不動産含む) | 10% | 投資用マンション |
インデックス投資は「オルカン一本」です。S&P500と散々比べましたが、S&P500はアメリカ企業だけへの投資です。一方オルカンは日本を含む全世界が対象で、そのときに強い国・地域へ自動的に比重が移っていく仕組みになっています。
つまり「今後どの国が伸びるか」を自分で考えなくていい。考えなくていいのに、世界経済の成長に乗れる。
「もう考えなくていい」というのが、オルカン一本にした理由です。
「正解」かどうかは分かりません。ただ、これなら夜眠れるという配分になっています。
よくある疑問に答えておく
Q. 株と債券の比率、何対何が正解?
正解はありません。よく言われる目安は「100 − 年齢 = 株式の比率」。50歳なら50%を株式に、というざっくりしたルールです。あくまで参考程度に。
Q. 一度決めたら変えてはいけない?
変えていいです。ただし、相場が下がったときに怖くて変えるのは危険です(私の石油株がまさにそれ)。下がったときに売ると、損を確定させるだけ。定期的に(年1回くらい)冷静に見直すのが基本です。
Q. 現金は持ちすぎてもいけない?
インフレが続くと、現金は実質的に目減りします。「安全だから現金100%」というのも長い目で見るとリスクがある。生活費の6ヶ月分くらいを現金で確保したら、残りは運用に回すのが一般的な考え方です。
まとめ
- アセットアロケーション = どの資産にどれだけ置くかの設計図
- 一つに集中すると、下がったとき心理的に追い詰められて底で売ってしまう(実体験)
- 分散しておくと、一部が下がっても「待てる」精神状態が保てる
- 年齢が上がるほど、リスク資産(株)の割合を徐々に下げるのがセオリー
- インデックスはオルカン一本でいい。「強い国に自動で乗れる」から考えなくて済む
- 「夜眠れるかどうか」が、自分に合った配分の目安
投資で大事なのは、どの銘柄を選ぶかより、全体の設計図をどう引くか。証券会社の担当者に「絶対上がる」と言われてもすぐ動かない、というのも、設計図があってこそです。
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最後まで読んでいただきありがとうございました。
カズ
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