決めたはずのことが守られないのは、自分の伝え方が悪いからだと思っていました。数えてみたら、ルールを書いた場所が7個ありました。
この記事で分かること
- AIに渡した設定ファイルが、3か月で7個・107行に散っていた実測
- そのうち毎回自動で読まれるのは1個だけだった、という事実
- 1か所にまとめた翌日にまた破られた理由
- 「置き場所」より効いていた、作った順番の話
悪いのは自分だと思っていました
AIに記事づくりを手伝ってもらうようになって3か月が経ちました。
その間、決めたはずのことが守られない、ということが何度かありました。画像に入っているAI生成マークが消されていたり、記事の文体が今までと違っていたり。
そのたびに「あれ?」とは思っていました。ただ、そこで自分が考えたのはこういうことです。
相手はコンピュータだから、書いてあることは全部拾ってくれているはずだ。理屈では合っているんだろう。だとしたら、悪いのはこっちなんだろうな。
自分の指示が足りなかったか、伝え方が悪かったか。そう思って、そのつど言い直していました。
そしてもう一つ、自分にはこういう思い込みがありました。
AIに渡してある設定ファイルを、自分ではほとんど見に行っていなかったんです。 記事は出てくるし、チェックも通る。それを見て「いい感じにやってくれてるな」と思っていました。
見に行ったら、7個ありました
先日、思い立って中身を数えてみました。
自分が決めたルールが、いくつのファイルに、何行書かれているのか。結果がこれです。
- ファイル数:7個
- ルールらしき記述:合計107行
正直、ここまで散らばっているとは思っていませんでした。
しかも一番効いていたのは、次の事実です。
AIが毎回自動で読むファイルは、そのうち1個だけでした。
残りの6個は、こちらが「あのファイルを見て」と指示したときにしか開かれません。つまり、6個分のルールは、書いた時点で半分眠っていたことになります。
一番ひどかったのは、AIとの申し送りに使っていたファイルでした。883行まで膨らんでいて、その中に98行分のルールが埋まっていました。 そして、そのファイルは毎回は読まれません。
なんでこんなに憲法が7個もできちゃったんだろう、というのが正直な気持ちでした。
1か所に集めました
やったことは単純です。
7個に散っていたルールから重複と説明文を落として、毎回必ず読まれる1個のファイルに、1行ずつ並べ直しました。
決めごとは3つだけにしました。
- 1ルール=1行(理由は書かない。理由は別のファイルに残す)
- ここ以外にルールを書かない
- 上限50行。超えたら「機械にするか、捨てるか」を選ぶ
3つ目が肝でした。上限があると、増えたときに必ずどれかを手放すことになります。放っておくと膨らむのではなく、放っておくと整理に追い込まれる形にしたかったんです。
心配だったのは、毎回読むファイルが重くなることでした。でも測ってみたら、ルールを34本足しても増えたのは1.8%だけでした。公開作業のときにしか使わない技術メモを別ファイルへ移した分で、ほぼ相殺されています。
翌日、また破られました
これで片付いたと思った翌日のことです。
AIが記事の題材候補を6件出してきたので中身を見たら、4件を「経験していないから書けない」という理由で落としていました。
たしかにそういうルールを作っていました。やってもいないことを、やったように書かせないためです。
でも自分が思ったのはこうでした。これから自分がやってみれば、それは経験になるんじゃないか。 むしろ、自分に足りないもの、覚えれば強くなるものこそ、題材にしたい。
ルールは1か所にまとまっていました。書いてあるとおりにも動いていました。 なのに、当て方がずれていました。
集めただけでは足りなかった、ということです。
原因は「読んでいる人が違った」こと
もう一段、掘ってみました。
自分はAIを2つ使っています。役割を分けていて、片方が指示役、もう片方が実作業役です。
そこで気づきました。
この2つは、そもそも別のファイルを自動で読んでいました。
そして、集約先を指しているのは片方だけ。もう片方が読むファイルには、新しくまとめた場所への案内が1行も書かれていませんでした。
7個を1個にしたつもりが、実際には「Aが読む1個」と「Bが読む1個」の、2個になっていたわけです。
これは1行で直りました。もう片方が読むファイルの冒頭に、こう書き足しただけです。
ルールの正本はこちら。このファイルにルールを書かない。
本当の原因は、順番でした
ここまで来て、ようやく分かったことがあります。
散らかったこと自体が問題なのではありませんでした。
自分は、仕組みを先に作っていました。
どう進めるかが固まる前に、「ここは企画」「ここは執筆」「ここは申し送り」と器を先に用意して、そこへ後からルールを足していった。だから、迷うたびに新しい場所ができて、7個になりました。
順番が逆だったんだと思います。
「こうやりたい」という流れが先に見えて、それから「この作業のときはこう、次のこの作業のときはこう」と決めていく。 そういう作り方にすればよかった、というのが今の実感です。
これはAIに限った話ではない気がしています。
家計簿アプリを先に入れて続かない。収納用品を先に買って片付かない。管理表を先に作って埋まらない。器を先に用意すると、中身のほうが器に合わせにいってしまう。
いまは、こう回っています
まとめると、今の形はこうなりました。
- 守ること → 毎回読まれる1個のファイル(1行1ルール・上限50行)
- やったこと・理由 → 作業の記録ファイル
- いま待っていること → 申し送りファイル(ここにはルールを書かない)
そして2つのAIが、同じ1個を見に行くようにつなぎました。
まだ他にもあるんだろうな、とは思っています。先に仕組みを作ってしまった分、同じような取りこぼしはまだ出てくるはずです。
ただ、探し方は分かりました。 「これはどこに書いてあるか」ではなく、「これを読むのは誰で、その人はどのファイルを開くのか」から見ればいい。今回それで見つかりました。
決めごとが守られないとき、つい「伝え方が悪かったかな」と自分を責めにいってしまいます。でも今回に関しては、悪かったのは伝え方ではなく、置き場所と、作った順番でした。
同じことをしている方がいたら、まず数えてみるのをおすすめします。自分の決めごとが、いま何か所に散っているか。 思っているより多いかもしれません。
今回分かったこと
- 決めごとが守られないとき、原因は伝え方ではなく置き場所のことがある
- ルールは「毎回読まれる場所」に置かないと、書いた時点で半分眠る(自分の場合、7個のうち6個がそうでした)
- 集めるだけでは足りない。 読む相手が違うファイルを見ていれば、正本はまた増える
- 器を先に作ると、中身のほうが器に合わせにいく。 流れが見えてから決める順番にしたい


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